本開発品は酸性リン酸エステルを修飾させた酸化チタン(チタニア)ナノ粒子分散液です。
特徴
- コーティングにより屈折率1.7以上の薄膜形成が可能です。500℃焼成により2.0前後まで到達可能です。
- 通常の酸化チタンに見られる光触媒活性が無く、光触媒効果により基板の劣化が心配される樹脂基板へも適用が可能です。
グレード
SR-0820、SR-0821、SR-0823、SR-0827の4つのグレードをご用意しております。分散液中のチタニア濃度は10質量%です。
修飾酸性リン酸エステル種 | |||
重合性基有り | 重合性基無し | ||
溶媒種 | トルエン | SR-0820 | SR-0823 |
PGMEA*1 | SR-0821 | SR-0827 |
用途・特徴
修飾酸性リン酸エステル種x溶媒種の組み合わせ、特徴によって、基板・目的に合わせた選択が可能です。
トルエン | 種々モノマーの溶解性良好 |
PGMEA | 溶媒蒸発速度が緩やかで成膜しやすい |
重合性基有り | UV硬化が可能でパターニングも可能 |
重合性基無し | 着色が少ない |
屈折率、鉛筆硬度(代表例:SR-0821)
高屈折率かつ高硬度な薄膜の成形が可能です。
リン酸 エステル 修飾率(対Ti) | チタニア 粒子径(nm) (DLS*2) | UV硬化後焼成前 | 焼成後 | ||
屈折率 @633nm | 鉛筆硬度 | 屈折率 @633nm | 鉛筆硬度 | ||
10mol% | 2.4 | 1.82 | 3H | 2.08 | 6H |
20mol% | 3.9 | 1.73 | 3H | 2.04 | 5H |
30mol% | 4.1 | 1.70 | 3H | 2.03 | 3H |
※各数値は代表値であり、保証値ではありません
光触媒活性フリー
酸化チタンナノ粒子は多くの場合光触媒活性があるため、樹脂分解性があり、基板等の用途では使用が難しい事があります。弊社製品は光触媒活性フリーであるため、基板用途であったとしても分解の心配がなくご使用出来ます。
高い透明性
SR-0821を分散させた水溶液にレーザー光を照射するとチンダル現象が確認出来ます。即ちナノ粒子は確りと分散されている一方で、背景が透けて見えるように、極めて高い透明性を持つ分散液をつくることが弊社の製品では可能です。
成膜前後のガラス基板の反射度合い
成膜方法一例
方法 | 使用機器 | 条件 |
塗布 | スピンコータ | 1000rpm / 20sec |
乾燥 | プレートヒーター | 60℃ / 30sec |
UV硬化 | UVランプ | 375mW・cm-2 / 30sec |
焼成 | 電気炉 | 500℃ / 30min |