木質材料向け難燃剤

近年の木材需要の高まりに対応すべく木質材料向け難燃剤(不燃剤)を開発しました。特定の構造を有するリン酸化合物と特定の構造を有する窒素化合物を組み合わせる事で耐吸湿性を高めております。これにより従来の不燃木材の課題である薬剤の滲み出し・白華を大きく改善しております。

性能評価① コーンカロリーメーター試験

発熱速度・総発熱量共に抑制が可能です

開発品は主にSR-2550とSR-2520の2種をラインナップしております。SR-2550は20分間での総発熱量が8MJ/m2を越えていますので、性能判定基準としては準不燃グレードとなります。SR-2550は単成分系ですが、SR-2520では複数成分を組み合わせる事で性能向上を図っています。こちらは20分間での総発熱量が8MJ/m2を十分に下回っていますので、性能判定基準としては不燃グレードとなります。

性能評価② 吸湿性試験

40℃/90%RHの条件に設定した恒温恒湿機に防火処理を施した木材サンプルを設置して、重量変化が恒量になるまで保管して試験を行っています。吸湿による重量変化率を吸湿率として算出しています。不燃木材は湿気等の影響で吸湿すると、木材に注入した難燃剤が表面に滲み出す或いは白華する原因となります。弊社開発品は高い耐吸湿性を示しており、薬剤の滲み出し・白華を大幅に改善している点が特徴です。

滲み出し・白華抑制の様子

写真は吸湿試験後の試験体の様子です。試験体はいずれもスギ辺材。従来のリン酸系では難燃剤の滲み出しが起きてしまっています。
一方、開発品で処理した不燃木材は無処理(ブランク)と比較しても外観面で不具合を起こしておりません。